小説を読んだ
「昨日の海は」と言う小説を読んだ。
最近はあまり本を読む習慣もなく、読むとしても「休み方」とか「心の整え方」とか言うハウツー本であった。疲れているんだろう。
ハウツー本は確かに何かの役には立つとも思うが、それも一時的なもの。
所詮専門書ではない。それ故にいくら読んでも似たようなものしかなくどことなく浅い。
久しぶりに小説を読んでみたのも、そういった本に疲れてしまったからである。
こうしろ!ああしろ!これをやれ!これはやるな!と忙しい自己啓発本やハウツー本に疲れた。
都会の喧騒から逃れたい気持ちと似たような感覚でそういった本からの脱却を図った。
少し前に読んだ小説は主人公に感情移入が出来なかったり、稚拙な表現が多い作品であったりで2作品読み切らずに諦めた。
今回の作品の掴みは抜群。
青春ミステリーとのことで面白い。
田舎に暮らす高校生の主人公。夏休みに入り、母の姉とその娘が越してきた。そこで心中と聞かされていた祖父母の死が、実は無理心中事件であったことを知る。二人の間に何が起こったのか、残された写真が語るもの、関係者たちの歪んだ記憶、小さな嘘。そして辿り着いた真相は。
読めば読むほどに物語に引き込まれる。早く続きが読みたくて仕方がない。寝る前や電車での移動時間を読書に割いた。
読み終わったあとはとても清々しいいい気分になった。物語がハッピーエンドだったとか、バッドエンドだったとかそう言うことではなく、気持ちのいい感覚。素敵な映画を一本見終えたような感覚。(本来であれば、映画に対していい小説を読んだと言いたいところ)
久しぶりに完読し、スッと軽やかにデトックスできた。
小説を読むにつれスマホをいじる時間も減った。
そしてSNSやYouTubeへの興味が薄らいだ。(最近はSNSにも疲れた)
他人の時間を生きるのではなく自分の時間を自分のために使いたくなった。
そして今も小説を読んでいる。
筆者:僕
東京から京都まで歩いた人。最近は音楽を聴くときにベースの音だけに集中することにハマっている。
そして書こうと思ったことの1/3は忘れている。